「食料品の消費税が1%になるらしい」という話を聞いて、うちの店は何が変わるのか、気になっている方も多いと思います。
結論から言うと、店内飲食だけの店では、レジの税率はほとんど変わりません。政府方針どおりなら店内飲食は10%のままです。変わるのは、食材の仕入れにかかる消費税(8%→1%)と、それにともなう消費税の納め方です。
私の店は店内飲食のみで、持ち帰りも免税販売もしていません。1店舗でスマレジを使っています。この記事では、公式情報をもとに、同じような小さな飲食店が今のうちに確認しておきたいことをまとめました。持ち帰りをしている店や、2026年11月に始まる免税制度の変更についても整理しています。
※税率や時期は、2026年10月時点の政府方針・公表情報にもとづく見込みです。実施には関連法案の成立が必要です。
結論:減税はほとんどの飲食店に関係し、免税は一部の店だけ
| 制度 | 時期 | 対象になる飲食店 | レジでやること |
|---|---|---|---|
| 食料品の消費税1% | 2027年4月1日から2年間(政府方針、法案成立が前提) | テイクアウト・宅配をしている店、食材を仕入れる店(実質すべて) | 税率の設定変更、店内・持ち帰りの切り替え、価格表示の見直し |
| 免税制度の変更(リファンド方式) | 2026年11月1日 | 税務署の許可を受けた免税店(お土産などの物販)だけ | 購入記録の送信、税関確認後の返金に対応する仕組み |
私の店は店内飲食のみで、免税販売もしていません。そのため免税制度の変更は対象外で、減税もレジより仕入れと納税の面で影響を受けます。
2026年11月からの免税制度(リファンド方式)とは
2026年11月1日から、外国人旅行者向けの免税の仕組みが変わります。今までは購入時に消費税をかけずに売っていましたが、これからはいったん税込で売り、出国時に税関の確認が取れてから消費税分を返金します。
免税店側には、主に次の対応が求められます(TKC)。
- 免税対象の商品を税込価格で販売する
- 購入記録情報を提供し、税関の確認情報を受け取る体制を整える
- 税関確認のあと、旅行者に消費税相当額を返金する
免税をしていない飲食店はどうなる?
免税は、税務署の許可を受けた「免税店(輸出物品販売場)」だけの制度です。私の店のように免税販売をしていない店は、11月に特別な対応はありません。
確認しておきたいのは、次のような店です。
- お土産や物販コーナーで、すでに免税店の許可を受けている店
- インバウンド客が多く、これから免税販売を始めたい店
こうした店は、今使っているレジや免税サービスが新制度に対応しているか、早めに確認しておきましょう。
食料品の消費税1%、今決まっていること
政府は2026年8月5日、酒類を除く飲食料品の消費税を2027年4月1日から2年間、1%に引き下げる方針を閣議決定しました。ただし、実施には関連法案の成立が必要で、時期や対象は変わる可能性があります(スマレジ、Square)。
今の対象範囲がそのままなら、飲食店の税率は次のようになります。
| 区分 | 現在 | 2027年4月から(見込み) |
|---|---|---|
| 店内飲食 | 10% | 10%(変わらない) |
| テイクアウト・宅配 | 8% | 1% |
| 食材の仕入れ | 8% | 1% |
| 酒類 | 10% | 10%(変わらない) |
持ち帰りをしている店では、この差が大きく効きます。
たとえば税抜1,000円の弁当なら、店内で食べると1,100円、持ち帰ると1,010円です。今は差が20円ですが、90円に広がります。持ち帰りの注文が増えたり、「持ち帰りでと言って店内で食べる」客への対応が増えたりする可能性があります。
店内飲食だけの店(私の店)はどうなる?
店内飲食だけの店は、売上の税率が10%のまま変わりません。変わるのは仕入れ側で、食材を仕入れるときの消費税が8%から1%に下がります。酒類や消耗品の仕入れは10%のままです。
税抜10万円分の食材を仕入れた場合で比べると、次のようになります。
| 項目 | 現在(8%) | 2027年4月から(1%・見込み) |
|---|---|---|
| 仕入れの支払額(税込) | 108,000円 | 101,000円 |
| うち消費税 | 8,000円 | 1,000円 |
ただし、手元に残るお金への影響は、消費税の申告方法で変わります。
- 原則課税(本則課税)の店:納める消費税は「売上の消費税−仕入れの消費税」です。仕入れの支払いが7,000円減っても、納税が同じだけ増えるため、手元に残るお金はほぼ変わりません。
- 簡易課税の店:納める消費税は売上の消費税と「みなし仕入率」で計算します(飲食店は第4種で60%、国税庁)。仕入れの税率が下がっても納税額は変わらないため、仕入れの支払いが減るぶん、手元に残るお金が増える計算です。
- 免税事業者の店:消費税を納めていないため、仕入れの支払いが減るぶんがそのまま負担減になります。
どれも、仕入れ先が税込価格を実際に下げた場合の計算です。自店がどの申告方法かで資金繰りの見通しが変わるので、顧問の税理士に一度確認しておくと安心です。
飲食店がレジ周りで確認すること
- 税率の設定:レジに1%を登録できるか。施行日に合わせて事前に切り替えられるか。
- 店内・持ち帰りの切り替え:同じ商品を会計時に10%と1%で選べるか。従業員が注文時に「店内か持ち帰りか」を確認する手順も決めておく。
- 商品ごとの税区分:酒類や対象外の商品が10%のままになっているか。
- 価格表示:店頭メニュー、券売機、モバイルオーダー、デリバリーサイトの税込価格。
- レシートと経理:レシートの税率表示、会計ソフトとの連携、仕入れの税区分。税理士と共有しておくと安心です。
切り替え前後には、テスト会計で店内・持ち帰りの金額が正しいかを確かめておきましょう。
スマレジなら、レジを買い替えずに設定で対応できる
スマレジの公式ページでは、税率の変更に次のように対応できると説明されています(税率設定、消費税減税への対応)。
- 適用期間の指定:税率の適用期間を指定でき、改定日に合わせて事前に準備できる
- 一括変更:部門・カテゴリ単位でまとめて変更でき、商品数が多ければCSVでも変更できる
- 店内・持ち帰りの切り替え:1つの商品に複数の税率を設定し、会計時にワンタップで選べる
- 法改正時の一括対応:法改正による税率変更はスマレジ側で対応し、施行日以降にデータを同期すれば使い続けられる。詳細は制度確定後に案内される予定で、既存の契約者は現時点で対応不要
注意点として、商品ごとの税率変更は「スタンダードプランから利用可能」と書かれています。無料プランで使っている場合は、自店のプランで何ができるかを確認しておきましょう。
免税店向けには、新制度で必要な「購入記録の送信」と「旅行者への返金」を1社でまとめて引き受けるサービスも用意されています。PAYGATEでクレジットカードや銀聯で支払われた場合は、旅行者の申請なしで自動返金されます(スマレジ)。
他のレジを使っている場合
どのレジでも、レジ会社に次の3点を確認しておくと安心です。
- 1%の税率を登録できるか、施行日に合わせて予約できるか
- 店内・持ち帰りを会計時に切り替えられるか
- 税区分ごとに一括で変更できるか、商品ごとの設定が必要か
レジそのものの比較は、飲食店向けPOSレジ4社比較にまとめています。
よくある質問
食料品の消費税1%はもう決定していますか?
政府の方針としては決まっていますが、実施には関連法案の成立が必要です。時期や対象は変わる可能性があります。
店内飲食も安くなりますか?
今の対象範囲のままなら、店内飲食は10%のままです。下がるのはテイクアウト・宅配と食材の仕入れです。持ち帰りをしていない店では、レジの税率はほぼ変わりませんが、仕入れの税率と納税額が変わります。
免税をしていない飲食店も、11月に何かする必要がありますか?
免税店の許可を受けていなければ、免税制度の変更に伴う対応はありません。
今すぐレジを買い替える必要はありますか?
まずは今のレジで対応できるかを確認しましょう。対応が難しい場合に、乗り換えを検討すれば十分です。
まとめ:店内飲食だけの店は仕入れと納税を確認
飲食店にとって、減税で大きく変わるのは店内と持ち帰りの税率の差です。店内飲食だけの店ではレジの変更はほとんどありませんが、仕入れの支払いと消費税の納め方が変わります。法案の行方を見ながら、レジの設定、価格表示、申告方法ごとの資金繰りの3つを早めに確認しておくと、当日に慌てずに済みます。免税制度の変更は、免税店の許可を受けている店だけが対象です。


